若手ディレクターの独り言

Ramblings of a Young Director

営業能力0から大手企業との契約を取ったカメラマンの小言

企業PR 撮影 依頼┃映像 制作 カメラマン フリーランス┃スタジオ経営┃大阪・神戸

小規模プロダクションは「事前準備」で全てが決まる。

今の時代、「一人でなんでもやれる映像ディレクター」は、ある意味“当たり前”になってきました。
カメラのオートフォーカス精度は年々上がり、ジンバルが普及したことで、以前は複数人がかりだった撮影も、驚くほどスマートにこなせるようになった。まさに“技術の恩恵”です。

でも、それと引き換えに失われているものもある。
たとえば、現場でのクライアントとのコミュニケーション
あるいは、撮影にどこまで集中できるかという一点。


ワンオペ撮影は「自由」だが「不自由」でもある

小規模プロダクションでは、企画・撮影・編集を一人で担うことも少なくありません。
その身軽さは武器になります。意思決定が速く、現場でも即興的な判断ができる。
でも同時に、「誰にも頼れない」という現実がつきまといます。

照明を調整している間に、フォーカスがズレている。
撮影に集中したいのに、進行管理や立ち会い対応が頭をよぎる。

つまり、“一人で全部できる”ことと、“一人で全部やるべき”ことは別なんです。


ワンオペ経験者だからこそ、チームワークの価値がわかる

僕自身も、かつてはCanon 5Dと、発売されたばかりのRonin-Sを手に、企業CMのディレクションから撮影までワンオペでこなしていました。
撮って、編集して、納品まで。機材の進化と気合いでなんとかなる——そう思っていた時期もあります。

でも最近、スタジオ拡大に伴って、誰もが知っている映画館で上映される企業CMの案件を手がけることになり、意識が変わりました。
姫路城やハリウッド映画のロケ地にもなった場所で、企業の方以外にも行政関係者や地元ロケ地の担当者など、さまざまな関係者が集まる大規模な現場。
そのコンペを勝ち取り、撮影に挑んだのですが——

結果的に撮影自体はうまくいき、予定より1時間巻きで終わりました。
ただ、ディレクターとして撮影に集中しすぎたせいで、現場での案内・説明がほとんどできず、クライアントや関係各所とのコミュニケーションが疎かになってしまいました。

頼れるチームメンバーが臨機応変に対応してくれたおかげで何とかなりましたが、正直、ディレクターとしてもプロデューサーとしても、失格だったと思います。
クライアントに「任せて大丈夫」と思ってもらえる安心感を与えること、それも演出の一部なのに、それが欠けてしまった。


小規模チームこそ、準備と「役割分担」が命

こうした経験を経て感じるのは、やはり小規模だからこそ、誰が何をするかを事前にしっかり決めておくことが大事だということ。
「撮影に集中できる環境」を作ることと、「クライアントとの関係構築」を両立させるには、準備段階での役割分担が必要不可欠です。


結論:チームはやっぱり強い

僕らのような小さな制作体制では、現場のクオリティは、事前準備の質=段取り力に比例すると言っても過言じゃありません。
逆に言えば、準備さえ万全なら、一人でも戦える。
ただし、「一人でやれる」からといって、「一人でやる」のが最善とは限らない。

だからこそ、チームを組めるなら組んだ方がいい。
でも、そうじゃないなら——準備と分担だけは、死ぬほどやっておく。
それが、小規模プロダクションのリアルな“成功の鍵”だと思っています。

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